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介護施設の食事
介護施設での調理方法
介護施設での食事提供にはいくつかの方法があります。
まずは、施設にて調理をするパターンです。
介護施設内に配置されている調理師や栄養士が、食事を調理して提供します。施設にて調理をする場合、利用者の好みやニーズに合わせたメニューを調理することも可能です。
食品衛生法の改正により、食品を提供する施設には衛生的な調理を行うための知識をもつ食品衛生責任者を設置することが義務づけられています。
外部の業者へ調理を委託している場合もあります。施設は外部の給食会社に調理を委託し、提供された食事を利用者に提供します。委託調理の場合は、細かなニーズへの対応が難しい場合もあります。
介護施設での食事提供について
介護施設で食事を提供するためには、営業届出または営業許可の申請が必要です。施設での調理であれば事業所が営業届、委託調理であれば受託事業者が営業許可を都道府県(事業所を管轄する保健所)に申請します。
それ以外にも、食品衛生責任者を配置することが義務づけられています。食品衛生責任者は、食品の調理・加工等が衛生的に行えるように、衛生知識を持った職員です。
食堂の確保も必要になっており、広さはご入居者様の人数などにより介護施設ごとに決められています。
食事形態について
介護施設において、食事形態はご入居者様の噛む力や飲み込む力に合わせて選ばれます。特に食事に問題がない方は、普通食となります。
それ以外では刻み食、ソフト食、ミキサー食、ゼリー食などの形態があります。刻み食には、噛むことに問題のある方に適しています。調理としては通常の食材を細かく刻んだ食事形態になります。食材によっては、細かく刻むことで口の中でまとまりにくくなることがあるため、適度にとろみをつけて誤嚥を防止する場合もあります。
ソフト食は噛む力と飲み込む力がともに弱い方に適しています。舌や歯茎でもつぶせるくらい柔らかく仕上げた食事です。見た目は通常の食事と変わりません。作るのは手間がかかりますが、食べる楽しみを実感しやすいメリットがあります。
ミキサー食については、噛む力がなく飲み込みが難しい方用に提供するポタージュ状の食事です。食材をミキサーで細かく砕いて提供します。
ゼリー食は特に誤嚥が心配な方に適しているゼリー状やとろみのある食事です。
これらの食事形態を選ぶ際には、食材の調理法や注意点を考慮し、ご入居者様がおいしく、安全に食事を楽しめるように工夫します。
食事介助について
介護施設では食事を自身で摂取できない方に向けて食事介助を行う場合があります。
食事介助が必要となる要因としては、いくつかありますが、まずは視力の低下や筋力の衰えによる身体的な衰えが原因になる場合です。噛む力や持ち上げる力が低下することで、食事をする動作が難しくなります。
また、嚥下や咀嚼機能の低下により、食べ物を飲み込む力(嚥下力)や噛む力(咀嚼力)が低下することにより食事の摂取が困難になるケースです。嚥下力や咀嚼力の低下は、栄養失調や誤嚥のリスクを招くこともあります。
次に、認知機能の低下により、食べ物を認識できなくなり、味覚や空腹感も感じづらくなる場合もあります。
上記の要因が重なることで自身での食事が困難になり、食事介助を行うことになります。
食事介助は必要な栄養を摂ることが可能になりことに加え、食事の楽しみを改めて認識してもらうことにより気持ちを明るくし、生きることや活動意欲の向上につながることを目指し行います。
また、味覚や食感を感じることで脳への刺激にもつながりますので、味覚や嚥下、咀嚼機能への刺激につながり、それぞれの力の低下を防げます。
食事介助を行う前の準備
食事介助を行う前にはいくつか準備が必要です。
まず、食事介助を行う方に対して声かけを行い食事の時間を伝え、誤嚥のリスクを減らすために利用者に意識を持ってもらいます。その際、体調確認も行い、安心・安全な食事を提供します。
それ以外にも定期的に嚥下体操を行い、唾液の分泌を促し、誤嚥を防ぐように心掛ける必要があります。
最後に
食事は生きていくためにも、日々の生活を豊かにするためにも必要なことです。
もしも、施設へご入居されているご家族が自身で食事の摂取が難しくなったとしても介護職員の手を借りて食事を摂るようにすることが大切です。