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介護保険制度

2023年2月13日

 


介護保険とは


日本の介護保険制度は、1997年に導入された国民健康保険に基づいて2000年から創設されています。介護保険は、介護が必要な方に対して介護サービスを提供することを目的としています。

介護保険は、全国の市町村および特別区によって管理されております。
介護サービスには、介護施設による介護サービス、自宅で受ける在宅介護サービスなどが含まれます。


介護保険の被保険者と受給要件


介護保険の被保険者は65歳以上の第1号被保険者と40歳から65歳未満の第2号被保険者の2通りに分かれます。第1号被保険者の場合は、65歳になった月から市町村と特別区が原則として年金から天引きされるようになります。

2号被保険者は健保組合や全国健康保険協会、市町村国保などに加入している40歳から65歳未満の人で40歳になった月から徴収が開始されます。第2号被保険者は65歳以上になれば自動的に第1号被保険者へ自動的に切り替わります。
 1号被保険者が介護保険を受給する要件は、要支援認定を受けた場合か要介護認定を受けた場合です。
2号被保険者が介護保険を受給する要件は、要支援ならびに要介護認定を受ける理由が老化に起因する16種類の特定疾病を患っている場合です。


介護保険制度のメリット


日本の介護保険制度には以下のメリットがあります。
介護保険を納めることにより、原則1割を自身で費用負担するだけで国の介護サービスを受けることができます。例えば、介護認定にて要介護1となった場合、支給限度額は167,650円となります。(なお、グループホームやその他加算などにより変動はあります。)
もしも、現状の介護保険制度がない場合で限度まで介護保険を利用すると上記の金額を全額利用することとなります。介護施設に入居している場合は、介護保険料と合わせて家賃や食費なども加算されることとなりますが、介護保険を毎月負担していることにより、原則1割の負担で介護保険を上限まで利用することができます。
先ほどの要介護1の場合だと、16,750円の負担で介護サービスを受けることができます。
将来的に介護度が上がった場合、要介護5になった場合の上限は362,170円なので相当な負担になる可能性が高くなります。

但し、負担割合については年収ベースで変わるので2割や3割になる場合もあります。


日本の介護保険の問題


日本の介護保険制度にはいくつかの問題点があります。
まずは高齢者人口の増加による資金不足です。現在の介護保険は公費と先ほど記載した保険料にて成り立っております。
現在の介護保険の総予算は2000年に創設した際の財源から3倍以上、必要になっており10兆円を超えております。
予算確保については、65歳以上の第1号被保険者が支払う基礎年金から徴収する額を増やしておりましたが、今以上の引き上げは難しくなってきています。
これに伴い、介護保険の自己負担額を増やしていますが、ギリギリのところで自己負担額が1割から2割になり、2割から3割になるケースも増えておりこちらにも限界があると思われます。

次に浮かび上がっている問題は、介護サービスを提供する労働力の不足です。2025年までに介護の労働者不足は約55万人以上と試算されています。
政府としては、外国人人材の受け入れ拡大を視野に入れておりましたが、コロナの影響や賃金の問題により、人材の受け入れがより難しくなってきております。
少ない労働力の中で、ICTの活用や今後普及するかもしれない、介護ロボットの活用を積極的に行っていく必要があると思われます。


介護保険の今後


介護保険制度は原則として3年に1度、改正を伴う見直しを行っています。
直近では2021年に改正を行っており、介護報酬の改定を行うことにより介護職員の賃金上昇を促し、福祉用具の平均価格の公表と上限設定を行うことによる価格の明朗化を図っております。
それ以外には、高額介護サービス費支給制度の改定がありました。介護サービスを利用する金額については上限が設定されています。
月の支払いが上限を上回る場合には超えた分が払い戻される制度です。
2021年の改定前までは、年収が770万円以上でも上限が、44,400円でしたが、改定後には年収770万円以上で93,000円の増額になり、年収が1,160万円以上の場合は140,100円が上限となり金額が引き上げられました。
介護保険の改定は、利用するすべての人にメリットがあるわけではないので注視する必要があります。


まとめ


介護保険は実際に直面するまであまり関係がある保険制度ではありません。
しかし、実際に介護を必要とする際に調べようとしてもわかりにくい制度でもあります。
まだ自分が利用する前だとしても、少しずつ調べていくことによっていざ自分や家族が利用を開始する際に、適格な利用をすることができると思いますので少しずつ調べていくことをおすすめいたします。

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